
で、初っ端から一万円札でう〇こふいた…ってな展開で一瞬「作風変えた?」とか思っちゃいましたが、表紙からも想像できる通り、やっぱりこの画でギャグ漫画チックな作品は全く想像できないわけで…

主人公の三ツ谷誠は舞台役者としてそれなりに実力もあって人気も得ている。ただ、周囲からは“2号”と呼ばれる。これは今は亡き偉大な兄・御幸が常に背後に潜んでいる故…。どんなに努力をしようとも世間からは常に兄と比較される。一生そんな十字架を背負っていかなきゃいけないのかと思った矢先、死んだと思った兄が…ってな所で1話は終了。この辺の魅せ方は「さすが」だと感じました。
始まる作品があれば、終わる作品もあるわけでして…。梅内創太『四弦のエレジー』が残念ながら終幕を迎えることとなりました。まぁ、娘も単行本コレクトしているし、何しろ音楽漫画(しかも作者は音大出身)ということもあって注目していましたが、梅内氏にとっての初の連載(って、その前に短期集中連載はしているので、“本格”連載と書くべきなのかもしれないけど)は2年間というちょっと寂しめな結果でした。

音楽漫画とはいえ、“サスペンス”に重きを置いていましたので、音楽知識を前面に出すことはなかったのは、読者を意識してのことなのかもしれないけど、こうして短命(全5巻:最終巻は1月発売予定)で終わるんだったら、もっとマニアックな話に走ってくれた方が良かったかと…いや、仮に作者が望んでも編集が受け入れてくれないだろうけど…。

大音楽家ユリウス・ブロイアーの二人の息子達、エンリコ(ヴァイオリニスト)とアリョーシャ(作曲者)。二人とも天才でありながらも、父の音楽に縛られてきたことで特にアリョーシャに至ってはその才能は“無能”とされてきた中、二人一緒に家を飛び出して、その才能は開花できたものの、もちろん、それを父が許すことはなく…。ラストは暖かく綺麗に仕上げてはあるものの、やっぱり“哀しい”幕切れでした…。
